現役居酒屋オーナー5名による、 居酒屋業界シンポジウムin駒八 居酒屋に乾杯

若者が酒を飲まない時代。居酒屋は労働環境がキツイ。カフェの方がカッコいい。

居酒屋逆風時代に思うけど、本当にそうだろうか?

居酒屋だから学べることがある。居酒屋でしか学べないことがある。今こそフラットに居酒屋を見つめてみよう。

40年以上お店に立ち、東京を代表する居酒屋名物オヤジ「駒八」代表の八百坂さんとお仲間のみなさんと一緒に居酒屋の今と将来を話してきました。それではビールで乾杯!!みなさんよろしくお願いします。


(左から)

株式会社 すずや 代表 蟹江 脩礼

1975年生まれ、東京都出身。高校卒業後、配管工職人の道に進む。その後、父親の経営する機械メーカーに入社するが、両親の離婚をきっかけに1999年、母親と妹で『すずや本店(溝の口)』を開店。現在は川崎市を中心に地域で愛される店を展開する。


有限会社 たのし屋本舗 代表 下澤 敏也

1965年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、飲食店の起業を目指して居酒屋で4年間、経験を積む。1997年に独立して、地元の三浦半島の最高食材をリーズナブルな価格で提供する人気店へと成長。現在は横須賀ビールの醸造も手がけ、6業態を展開中。


株式会社 駒八 代表 八百坂 仁

1948年生まれ、北海道出身。高校卒業後、大学進学のために上京。その後、商社に勤務するが1975年に脱サラ、夫婦で7坪の居酒屋を高円寺ではじめる。以来43年に渡り「駒八のオヤジ」の愛称で親しまれ、日本居酒屋協会会長としても活動中。


株式会社 nadeshico 代表 細川 雄也

1978年生まれ、滋賀県出身。大学卒業後、JA(農協)に6年間勤務し、脱サラ。2007年に創作和食『菜でしこ 長浜店』をオープン。現在は、滋賀県を中心に5業態を展開し、昨年東京への進出も果たす。また、居酒屋甲子園の理事長も兼任する。


ドリーマーズ 株式会社 代表 中村 正利

1968年生まれ、千葉県出身。精肉屋を営む家に育ち、高校卒業後は大阪の調理師学校に入学。その後、イタリアンレストラン、ドトールコーヒーでの勤務、IT会社の設立を経て、2003年に独立。現在は『串屋横丁』と『小松屋』、計44店舗を経営する。


意外と知られていない居酒屋の魅力について

八百坂氏(以下、八)「まずは、乾杯といこうか!」

全員「乾杯!!!」

「居酒屋の定義……なんて小難しいテーマだけど、とりあえず下澤くんにスタートを切ってもらおうか(笑)。得意そうだよね!」

下澤氏(以下、下)「居酒屋は、昭和から引き継がれてなお今、わずかに残っているリアルなコミュニティの場だと俺は思うんです。今って、スーパーで無言のまま買い物をする人も多いし、1日誰とも話さない若者もけっこういる。SNSで話してるから大丈夫っていうけど、『それって会話と言えるの!?』って疑問に思いませんか?」

細川氏(以下、細)「フェイスブックやインスタグラムだけでコミュニケーションを終わらせる若者って、案外多いですよね。『居酒屋でビール片手に語り合え! 』って大声で言いたいですよ」

「だから俺は、今の若者に『今日は誰かと話した? そこに感情はあるの?』とか語るのが楽しくて(笑)。向こうにとっては迷惑かもしれないけど、あえて熱いことを言って、今のマイナスのコミュニケーションをプラスに変えていきたいし、それができるのは居酒屋だと思う」

「居酒屋で知らない人同士が隣に座って、お酒を飲んでるうちに会話がうまれて、仲良くなっていく……とか、最高ですもんね」

「それこそが居酒屋の醍醐味だな。蟹江くんはどう思うの?」

蟹江氏(以下、蟹)「本当にその通りだと思います。今、家族で食事にでかけても子供はずーっとゲームをやって、夫婦はろくに口をきかないという光景を見かけるんですけど、きっと家の中でも会話することに慣れてない。つまりはコミュニケーションに慣れていないってことですよね」

「知らない人とあいさつすることが危ないと言われる世の中だもんな、それって寂しいよね」

「居酒屋で働く人間にとってはありえませんよね。みんな基本、人が好きだし、それが居酒屋で働く条件でもある気がします」

中村氏(以下、中)「お酒を飲むと人間関係がグッと近づくし、昔ながらの居酒屋にはその力があると僕は思っています。古きよき日本の文化がつまっているのが、居酒屋ですよね」

「コミュニケーションが希薄になっている時代だからこそ、我々の存在が大事になってくると思う。あったかい雰囲気のある居酒屋の存在、そしてそこで飲むお酒!」

「つまりは個店ですよね。個店の良さって、ものすごくすばらしいサービスや敬語があるわけじゃないけど、オヤジさん(八百坂氏)みたいな大将がいて、ぬくもりを感じられる。そこがもっと見直される時代になってほしいんです、僕は!」

「うちのお店も個店を目指してます! でも、今の学生さんは居酒屋嫌いみたいですよね」

「そうなの? 我々が子供の頃は親がよく連れてってくれたけど、今はそういう機会がないから居酒屋の楽しさが分からないんだろうな」

「コンビニでも居酒屋のメニューみたいなお惣菜を買って、食べることができるから、居酒屋の貴重性も薄れてしまっているのかも知れませんね。それに居酒屋に対する免疫もついていな いから、20才を過ぎてはじめて行っても、コミュニケーションがうまくできない」

「昔は飲みニケーションがひとつのコミュニケーションだったんだけどなぁ。ところで、みんなはなぜ居酒屋をやろうと思った? 次のテーマはそれにしてみよう!」


時代を遡って、やりがいを語り尽くす

「俺は人と触れ合うのが好きだから、居酒屋をはじめたんです。というか、うちが仲間の溜まり場になっちゃってたから、自分の部屋を改造して居酒屋をつくった……というのがはじまりですね。だって居酒屋にしないと俺の冷蔵庫が空っぽになっちゃうから(笑)」

「下澤くんは、今、地ビールもつくってるんだよね? よっ!地元を愛する男!」

「ちょっとカッコいいこと言っちゃいますけど、最初はやるからには東京でお店を出したい! と東京ばかりを見ていたときもありました。でもふと、振り向いたらそこに三浦半島があったんです(笑)。よく考えたらここは海の幸も畑もある、食の宝庫じゃないか! と気づいてからは、地元の食材をもっと広めたいという気持ちに切り替わっていきましたね。結局は地元が大好きなんです!」

「僕はもともとJA(農協)で働いていたんですけど、せっかくの1回きりの人生だからやりたいことをやろうと思い立ったんです。農協も食と関わる仕事だったし、農家さんの役に立てることがしたいと思って、外食産業に足を踏み入れました」

「僕は、最初はペンション経営がカッコいいと思って、高校を卒業してから調理師学校に行ったんです。最初に働いたのは、西麻布のイタリアンレストランで、コック出身です」

「うちは、両親の離婚がきっかけで居酒屋をはじめました。もともと父親が家に人を呼ぶのが好きで、そのたびにおふくろが料理をふるまってたというのがあって一緒にお店をだしたんです。ずっと地域に密着してやってきたので、いつかはお客様に恩返しがしたいと思って、地産地消を心がけて、行政とのつながりも大事にして、川崎の良さをもっと外にだしていこうという取り組みをしています。川崎の場合、市長も前向きなのでとても助かっていますね」

「今の時代、居酒屋も食材にはかなりこだわってる。そうしないとお客さんの満足度はついてこないし、努力しないと認知されない」

「オヤジさん(八百坂氏)が居酒屋をはじめたきっかけも、ぜひ!」

「僕の時代は、脱サラブーム全盛で、立ち食いそば屋やカレースタンドをやる人間が多かったんだけど、アルコールを扱ったほうがメリットがありそうだってことで、かみさんと一緒に高円寺で7坪のお店をだしたんだよね。そしたら、すごく繁盛した! 高円寺の飲み屋街の入り口だったし、うちのかみさんは元気がいいし、売れない漫画家や劇団員がたくさんきてたなぁ」

「そう考えると、昔のほうがやっぱり居酒屋はにぎわっていたし、働いている人間も来るお客さんもイキイキしていて楽しそうだったんですかね?」

「流れは変わったかも。実際問題、5年くらい前から居酒屋に就職する学生さんは減っているのも事実だから」

「働くこと=金を稼ぐ、だけになってしまっている若者も多いですからね。それだけになってしまうと、人生はいかにつまらなくなってしまうかを教えてあげたいです……」

「人を喜ばせることの楽しみを知らないのかもしれないな。それと、地域を活性化させているという事実のことも。もっと深く知れば知るほど、飲食の世界は奥深いのにもったいない」

「じゃあ、最後のテーマは、居酒屋の未来……についてにしましょうか」

働くことの楽しさを知ってもらいたい

「居酒屋は今、実は海外に求められている文化なんだよ。日本酒フェスティバルというのがあって、ハワイでは1500人くらいが集まるし、去年はニューヨークでも開催されてこれまた大盛況! 事実、アメリカの日本酒の消費量は世界一だしね。これから海外に進出する居酒屋もどんどん増えてくるだろうなぁ。そういう可能性の大きさも学生さんには知ってほしいね」

「高校時代や大学時代に飲食店でアルバイトをする学生さんってすごく多いと思うんだけど、きっと人生で何かを提供して他人に『ありがとう』と言われるのはその場所なはず。働いて一番の報酬は『ありがとう』という言葉で、今でもうちの居酒屋でアルバイトをしていた卒業生が遊びにきて『ここでアルバイトをしてすごく人生勉強になった』と言われることが何よりもうれしい。それだけの経験が居酒屋ではできるし、街づくりというものに居酒屋は欠かせない存在になっていくということを覚えておいてほしいなぁ」

「そうですね、僕の夢はいつか居酒屋が、働きたい職業ナンバーワンになること! 居酒屋の店長の仕事って本当に多岐にわたるし、なんでもこなせるようになってスキルも上がる。さらに人を喜ばせることもできるなんて、他の業態では味わうことはできないと思うので、その環境づくりに少しでも力を注いでいければと考えています」

「うちは数十年前から変わらない、昔ながらのスタイルの居酒屋ですから、この先もそのスタイルは変えていきたくないですね。変わらない代表としてもつ焼き文化を何十年後まで残していきたいし、それに賛同して、仕事としてやりがいを持ってくれる若者が増えるとうれしいですね」

「下澤さんもおっしゃってましたが、居酒屋は地域向上を担える立役者になり得る業態で、誇り高い仕事がつまっているんですよね。だから、もし居酒屋にちょっとでも興味があれば、やる気を持って、足を踏み入れれば、どんどん楽しさと奥深さを知ることができるでしょうね」

「じゃあ、締めの言葉として僕が話せることを最後にちょっと。僕は今年で70才になるんだけど、なぜ今も現役で店に立っているかというとお客さんが喜んでもらえるから。居酒屋は企業ではなく、家業。家業であるかぎり持続性はあるし、生き残っていける業界だし、未来も明るい! そんな素晴らしい仕事だと誇りを持って言えます。そして、もし居酒屋で働くことになったとしたら、チャレンジ精神をもって自分のお店を持つことに果敢に挑んでいって欲しいです」


【取材店舗】 駒八本店

☎03-3453-2530 東京都港区芝5-16-1

「田町駅」より徒歩5分

都営三田線「三田駅」より徒歩5分

都営浅草線「三田駅」より徒歩5分

月~土/17:00~23:30 日曜日・祝日定休

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