タツジンに会ってきました~商品開発編~

学生が憧れる商品開発のお仕事。でも、人気店の商品がどの様に開発されているのかを知る機会はあまり多くありません。

そこで、数々のヒット商品を世に送り出してきたリディファインダイニングさんに、知られざる商品開発の裏側を聞いてみました。


株式会社 リディファインダイニング

代表取締役 河村 剛臣

1983年生まれ、京都府出身。大学卒業後不動産会社に入社し、ロードサイド専門の開発事業に従事。その後大手学習塾の出店開発、フランチャイズ事業、マーケティング事業に携わる。2010年に大学時代の友人らとともに起業。2016年に同社の飲食事業部門が独立する形で株式会社 リディファインダイニングを設立する。

─リディファインダイニングさんにとっての「商品開発」の位置付けについて教えてください。

 社名にもある「リディファイン」には再定義という意味があります。だから、私たちは独創性の高い料理ではなく、ハンバーグ、レモンサワー、肉じゃがなど、お客さまがイメージできる既存の料理を私たちのフィルターを通すことで記憶に残る味わいへと演出しています。なじみがある普遍的なメニューに新たな価値を上乗せすることで、お客様にとっては「食べてみたい」という利用動機になる。「商品開発」は私たちにとって要ともいえるでしょう。

 背景にあるのは、グルメ情報サイトですね。今の時代、サイトで店選びをするお客さまがほとんどなので、ページ内の写真とメニュー名だけで訴求していかないといけない。そうなると「イメージできる味に少しアレンジを加える」ことがポイントになるわけです。

─具体的に商品開発はどのようなプロセスで行なわれているんですか?

 基本的には私が主導しています。でも、なかなかすぐにはカタチにならないんですよね。最初の1~2週間はマーケティングの視点やシェフの視点を交えながら、議論を重ねます。そしてイメージを擦り合わせながら、シェフが試作する。そこからは味の調整ですよね。お酒に合う味わいにするにはどうすればいいのか、と。そうやってああでもないこうでもないとやり取りを重ねて、ようやく完成します。ヒット商品の傾向としては、私、マーケティング、シェフの三者が「これはいける」と確信するものが多いですね。

─実際のところ、商品への手応えみたいなものは感じていますか?

 PRが成功していることもあって、テレビや雑誌といったメディアからの問い合わせがあると嬉しいですよね。自分たちが開発した商品を第三者が評価してくれると、最高に気持ちいいです。社内も盛り上がりますし、社員たちにも自信が生まれる。社内の好循環につながっていることが大きな手応えですね。

─リディファインダイニングさんの商品がヒットする要因って、どこにあると考えていますか?

 商品開発のプロセスは、一見するとプロダクトアウトなのかもしれないんですけど、考え方としては完全にマーケットインなんです。料理から発想するというよりも、世の中でウケる盛り付けやネーミングは……みたいなところから考えています。そして、既存の居酒屋のメニューに対して、自分たちの商品がどこにマッピングされるのかを俯瞰する。すると、勝算が見えてくるんです。マーケット感覚を常にアップデートしていること。それがヒットにつながっているのかもしれません。

─飲食業界のキャリアについても教えてください。商品開発って人気の職種だと思いますが、どのような視点や経験を積んでいけば、その仕事に就くことができると河村さんはお考えでしょうか?

 私は、必ずしも調理技術を磨くことが商品開発を行うことに必要なスキルだとは思いません。私自身ありませんし。商品開発って発想する力が一番重要だと言えるでしょう。当社であれば、年次や役職関係なくどんどんアイデアをぶつけて欲しいと思っているほどです。今後は、商品開発の専任部隊もつくりたいと考えています。ただ、発想力を高めるためには相当なインプットは必要ですね。読書なのか、映画なのか、休みの日に他の居酒屋へ食事しに行くのかさまざまありますが、インプットを通じて、自分のイメージを言語化して、料理長に提案する。たぶん1回で商品化につながることはないかもしれないけど、そういうチャレンジを繰り返すことで、世の中の需要と自分の感性がチューニングされていくんです。それがマーケット感覚を育むということ。「商品開発」の肩書きがなくても、できることはたくさんあるんですよ。前のめりにできるか、面倒くさがるかの違いで、キャリアは大きく変わってくるでしょうね。

─ありがとうございます。最後に飲食業界を志す学生へのメッセージをお願いします。

そうですね……やはり1年目でも任されて、評価される会社を選ぶべきということでしょうか。店舗業務からスタートするのが一般的ですが、本当にそれしか任されないのか、プラスアルファで経営者への意思決定支援はできないのか。そのあたりの見極めは、将来を考えるうえでも重要だと思います。自発的に動ける会社を選んでいただきたいですね。


もつ吉ヒット商品

HIT-1 低温調理和牛レバー刺し

法律改正でレバ刺しが食べられなくなったときの話ですね。西荻窪の店をオープンするタイミングで名物商品を考えていたところ、肉屋さんが「レバ刺しが食べられなくなって、レバーの売り上げが落ちた」という話をしていたんです。そこで何かできないかとシェフに相談し、低温調理で生のレバーに近い味わいをつくり出すことに成功しました。今は『低温調理和牛レバー刺し』という名称ですけど、最初は『合法レバー刺し』という名称でした(笑)。


HIT-2 とろけるハンバーグ

渋谷のフラッグシップの肉割烹居酒屋でメインになるような商品をつくりたいと考えていました。ただ、オープンが夏場だったので、もつ鍋だけでは少し苦しい。ローストビーフやレバー刺しに次ぐような商品をと考えていたところ、ハンバーグに目をつけました。ヒントにしたのは、「とろけるクリームパン」です。名前ありきで、とろけるハンバーグができないか、と。なおかつご飯に合うというよりも、ビールに合うような味わいに仕上げたら記憶に残るのではないかと考えました。

HIT-3 皮まで食べられるレモンサワー

レモンサワーブームになる今から5年前くらいの話です。広島の農家の方と知り合う機会があって「国産の無農薬レモンをどうにか売れないか」という相談を受けたんです。レモンをシンプルに味わうなら、と考えたのが『皮まで食べられるレモンサワー』。レモンを四つ切りにしてサワーに入れただけなんですけど、広島産とか無農薬とかを謳うよりも、安心感や美味しさがイメージできますよね。売り上げもかなり上がりましたね。今ではいろんなお店が出していますけど(苦笑)。

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