タツジンに会ってきました~サービス編~

サ―ビスって何だろうと考えた時。最初にエフラボが思いついた人が自他共に認める「サ―ビスおたく」の遠山さん。

接客の重要性がますます高まる飲食店。でも、サ―ビス力ってなかなか分からない。そこで、遠山さんに聞いてみました。


株式会社 プレジャーカンパニー

サービスマネージャー

遠山 啓之

大学卒業後、劇団員、デザイナーなどを経て、飲食業界へ。旗艦店の店長などを歴任したのち、プレイヤーとして生きることを決める。現在は、株式会社 プレジャーカンパニーのサービスマネージャーとして店舗のサービス力向上に努めている傍ら、セミナーや執筆活動を通じて、飲食業界全体のサービスレベル向上に取り組んでいる。

─飲食店は料理や業態・店舗コンセプトに注目が集まりますが、遠山さんが考えるサービスの重要性を教えてください。 

 分かりやすいエピソードがひとつあります。以前、私が勤めていた会社でのことですが、1日1組来るかどうかという、かなり崖っぷちなフレンチレストランに配属されたことがありました。「もうこれ以上落ちることはない、逆に自分の力を試す大チャンス」と思い、サービスを徹底しました。ご予約時にお連れ様のお名前まで伺うこと。好みや特徴を全部メモしてデータベース化し、再来店時にその情報を活かすことなど、方法論を確立。スタッフみんなで共有し、実践しました。そうしたら徐々に集客できるようになり、わずか一年で、最大時には倍の月商1400万円まで回復。お客様への執着で生まれ変わったんです。自分自身、サービスの力を信じていましたが、高いレベルのサービスを安定して提供することで「がらっと」お店は変わると実感した瞬間でしたね。

 ここ数年、飲食店の全体的なレベルは大きく上がりました。お客様にとっては望ましいことですが、運営側からの観点でいうと難しい側面もあります。料理がおいしいのは当たり前。注目される空間(店舗デザイン)を作っても、すぐに似たようなお店が出てきます。オシャレなお店っていっぱいあるでしょう(笑)。そうなって来ると、継続的にお客様から選ばれる条件として残るのは「ヒト」ですよね。つまり、サービスの力なんです。そして、「サービスの磨き方」というのはなかなか真似できるものではありませんから、そこを磨くことで差別化を図り、お客様が来店したくなるお店が生まれると思うんですよね。よく欧米のレストランでは、サービスに従事する方の社会的地位が高いと言われますが、日本の外食シーンでもそこを目指すべきですし、今がチャンスと考えています。

 ただ、「サービス力」というと個人の感覚や持って生まれた性格に頼ってしまう問題があります。皆さんも飲食店で「この人のサービスって感じがいいなぁ」と感じた経験があると思うんですよね。それは良いことなんですが、多くの場合その人が無意識にサービスを行っています。個人レベルで考えれば、才能があるといえますが、スキルの共有が出来ておらず、「特別な人だけが出来ることなんだ」と勘違いをしてしまう現象が生まれます。

 サービスおたくを称する私が目指すところの一つに、サービスを理論的に捉え、誰でも高いクオリティーで実践できる環境を作ることにあります。ひとつの事例として「キッチンマジック」というものがあります。単純かつシンプルなことですが、お客様はキッチンのスタッフと目がバチって合うと、それだけで感動されるんです。テーブルに乗っている料理を作ったキッチンスタッフがお客様と目を合わせ、笑顔でほほ笑む。それだけで感じる美味しさは2倍にも3倍にも跳ね上がります。この様なことを、気分や無意識で行うのではなく、意識的に行うことで、サービス力というのは各段に向上するのです。おもしろいでしょう(笑)。当然、お客様が喜んでいる姿を見て嫌な気分になるスタッフはいませんから、積極的にスキルを磨こうとする。そういった好循環を作っていくことが大切です。その為にも、感覚や個人にだけ頼るのではなく、意識的に行うことが大切になってきます。

 現在、私は株式会社 プレジャーカンパニーでサービスマネージャーを務めており、サービスで群抜く企業にすることをミッションに、日々スタッフの育成に努めています。具体的には現場INとロールプレイングを中心に、勉強会なども開催し、当社のサービス行動指針である「サービス三大宣言」の浸透に注力しています。「感動させます宣言!」「こだわり宣言!!」「プロフェッショナル宣言!!!」。まずは心を磨き、体に浸透させ、技術を磨いていくという考え方です。一方的な説明や、強制するやり方では誰もついてきません。ゲーム感覚を取り入れながら、一つひとつの意図を明確に伝え、納得してもらいながら進めていきます。サービスを突き詰めていくと、色々なことが見えてきます。

 商品提供の時に一言添えて価値を高めるサービスでは「リスクマネジメントタイプ」「提案タイプ」など5つに分類することが出来きます。お客様の特性を見極め、どのようなサービスを選択すれば喜んでいただけるのか、事前準備で瞬時に判断できるようになります。もちろん、人ですから成長段階で迷ったり、悩んだりすることもあるでしょう。そんな時には、サービスの本質である「目の前の一人ひとりのお客様に喜んでいただくこと」を軸に考えようと伝えます。やっぱり「ヒト」が全ての仕事です。お客様は人に会いに来る。迷った時に戻れる場所、つまり本質に立ち返ると、安心して接客できるんですよね。

 飲食業は製販一体で、お客様に喜んでいただくというビジネスの本質が凝縮された仕事です。人間性が磨かれれば、どこに行っても必要とされる人材になれるでしょう。また、サービスの重要性は日々高まってきているので、自分次第で、どこまでも高みを目指すことが出来ます。飲食店は、多くの人の喜びを生み出せるステキな仕事なんですよね。


誰でもできる!今日から実践!!
『違い』が際立つサービススキル。

其の1 アイコンタクトを駆使し、表情・行動を見聞きせよ!

たとえば、メニューを見ているお客さまがいたら、ほとんどの場合オーダーされます。そのときに「すみません」と声をかけていただくようではダメで、常に目をくばり、お客さまがオーダーしようとする瞬間に赴く。お客さまは、スタッフが気づいてくれているというだけで感動するんですよ。テーブルのうえをぼんやりと見ているだけではなく、お客さまの表情・行動・会話を見聞きするアイコンタクトができることがポイントです。

其の2 視覚で伝える!ボディランゲージを活用せよ!

たとえばワインの説明をするときに「イタリアのワインで、ぶどうの品種はこうで、すっきりとしていて……」みたいな伝え方をしますが、いまいちピンときませんよね。だから、イタリアのどの辺りのワインなのか空中に地図を描いたり、「すっきり」を手や表情で表現するなど、ボディランゲージで伝えます。聴覚だけではなく、視覚からも情報を伝えていくわけです。すると、お客さまの理解度は段違い。日常生活でも活用できるテクニックですよ。

其の3 明るく楽しい雰囲気の空間に!声のトーン×語尾スキップ!

ポイントは、大きい声を出すのではなく、トーンを上げること。元気を履き違えてただの大声だと、うるさいだけですからね(笑)。僕らが提供したいのは明るく楽しい活気です。だからイメージとしては、お客さまの会話の上を通すような高さですね。語尾スキップは「こんにちは〜」「ありがとうございま〜す」ではなく「こんにちはっ」「ありがとうございますっ」くらいの感覚です。実際に口に出してみると、前者はネガティブ、後者はポジティブに感じられると思います。

新卒求人 エフラボ

飲食、就職は、エフラボ。 「エフラボ2019」は飲食業界で働く 「面白さ・魅力・将来性」をフリーマガジン&WEBサイトで就活生の皆さんにお届けしています。 これまでに6500社以上の飲食企業・店舗に採用サポートをしてきた求人媒体「グルメキャリー」を運営するジェイオフィス東京が、飲食業界を今以上に盛り上げるために立ち上げた新卒向けのサービスです。

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