選択の瞬間<vol.2>~独立を選んだ彼らの心境~

人生は選択の連続。飲食業に身をおく一人の人間として、果たして自分はこのままでいいのだろうか?と立ち止まることもあるはず。今回は、自ら組織を離れ、飲食業の組織マネジメントを行う会社を立ち上げた織田さんにインタビュー。選択の瞬間、彼の心はどう動いたのか…?


働く人たちの市場価値を高めて飲食業界を盛り上げたい

織田 裕規 Yuki Oda

熊本県出身。16才から居酒屋のアルバイトに従事する一方、ダンサーとしても活動。NYで1年を過ごし、帰国後に株式会社 ファイブグループ入社。人事部採用マネージャーなどを務め、2017年退社。同年、合同会社 Prosperityを設立。その後、株式会社 WNCを設立し、生産性向上のための組織マネジメントなどを手がける。


飲食業界をもっと魅力的にしたい
その思いが募り、独立を決意

「僕は誰とでも、腹を割って話します。それが、いい仕事をする一番の近道だから」

 

 株式会社 ファイブグループの人事担当者として2017年のエフラボに登場し、就活生へ率直な意見を語ってくれた織田裕規さん。

 その後しばらくして彼は退職し、自身の会社である合同会社 Prosperityを立ち上げた。飲食業の運営サポートや人材育成などを手がけるコンサルティング会社だ。

 彼はなぜ、会社員という立場を手放し、独立することを決めたのだろう。

「会社員として経験を積むうちに、自分の限界を感じるようになったからです。僕が人事担当としていくら採用や教育をがんばっても、それは企業1社のメリットにしかなりません。それよりも、僕は飲食業界全体を見据えた仕事がしたくなったんです。具体的には、飲食業界に入りたい人を増やし、さらには、働いている人たちの市場価値を他業界よりも高めていくこと。そういう仕事をして、業界全体を盛り上げたいと思いました」

 

多くの社会人が抱く、自身が働く業界への歯がゆさ。「こうすれば、もっとよくなるのに」という思いを、彼は無視できなかった。

「仕事やプライベートでいろいろな飲食店に行くと、その思いがいっそう強くなるんです。たとえば、お客様がディナーに来て店で2時間過ごし、6000円を支払って帰る――それは単なる食事ではなく、お客様にとっては『特別な時間を買った』ということ。なのに、それを大事にしない経営者や従業員がいます。『来て当たり前』と思っていたり、忙しさに追われて言葉すらかけなかったりね。そんなマインドでいる限りその店は発展しないし、飲食業界にとってもいいことはありません。僕は、そのマインドの部分から変えていきたいんです。その思いが募って、ある朝起きた瞬間、『あ、会社辞めよう。独立しよう』と決めました(笑)」


 現在のところ、経営は順調だ。顧客は会社員時代に知り合った人もいれば、まったく異なるツテや紹介で知り合った人など、さまざまだという。

「たまたま隣の席で酒を飲んでいた方が経営者で、雑談のなかで契約が決まったこともあるし、様々な飲食店が集まるフットサル大会で久しぶりに会った社長が仕事をつないでくださったこともあります。人事のころに身につけた人脈の広げ方は、僕の大事な財産になっています」

趣味のフットサルで汗を流す織田氏(上段/左から二番目)。様々な飲食店が一堂に会し開催されるフットサル大会にも参加している。 


 コンサルタントのスキルは、どのようにして身につけたのだろうか。

「会社員だった期間、僕は複数の部署に在籍し、経営に近いところにいました。その間、会社は10億から100億規模まで成長したので、その範囲内であれば経営戦略の見当がつくんです。だけどもちろん、個々の飲食店の問題点はさまざまです。だから僕は、まず経営者との十分な対話から始めます。たとえば経営者の悩みが『従業員の離職率が高い』なら、キャリアパスが明確でないとか、採用のしかたが間違っているといった原因があります。対話から、相手の理想や経営の問題点を引き出し、具体的な解決策へとリンクさせていくんです」


 そのとき重要となるのが、冒頭の言葉にある「腹を割って話す」ことだという。

「本気で相手の願望を叶えようとするとき、無駄な気遣いは邪魔になるんです。ありがたいことに、お客様からは御礼の言葉を頂けたり、契約更新して頂けているので、嫌われてはいないのかな(笑)」


 独立を果たし、新たな人生を歩み始めたことについての実感を聞くと――。

「今、めちゃくちゃ楽しいです(笑)。休みはないし、毎日睡眠3時間くらいですが、つらいとは思わないですね。この働きかたが、僕には一番合っているんだと思います」


 そんな彼は今、就活生に対して強く感じることがあるという。

「今から選択肢を一つに絞らないほうがいい、ということです。働き方って、もっといろんな形があっていいですよね。一つの会社で働き続けたい人もいれば、僕みたいに自分のやりたいことが見えてきて独立する人もいる。だから就活生には、今から自分の可能性を決めつけないで、やりたいことを追求し続けてほしいと思います。アドバイスとしては、就職するなら自分と価値観が合う会社に入ること。あと、自分をもっと好きになって、大事にしてほしいですね」

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