10年後の飲食業界を語ろう ~vol.6「都市開発」森ビル 株式会社 権田 博彦氏

エフラボ2020では、大胆にも10年後の未来を予想!

「料理」「テクノロジー」「カルチャー」「トレンド」「サービス」「都市開発」「グローバル」「人事」「外交」、各ジャンルで活躍するスペシャリストに登場いただき、この9つの分野からの視点で、10年後の飲食業界を見つめてみます。

食という仕事に興味がある方、どのような分野で働きたいか迷っている方にはぜひ、彼らのインタビューを読むことをお勧めします。きっと飲食業界の将来性とポテンシャルの高さを感じてもらえるはずですよ。


リアルな場の価値を提供できる
街づくりに食はなくてはならないもの。


森ビル 株式会社 営業本部 商業施設事業部

営業企画部 商品企画グループ 権田 博彦さん

人が集う交流の〝核〟として
街ににぎわいをもたらす


新虎通りの開通から虎ノ門ヒルズのオープンを経て、新橋・虎ノ門エリアは今、大きく変貌を遂げつつある。新駅「虎ノ門ヒルズ駅」の開業も控え、ここからどんなおもしろいものが生まれてくるのかと期待を抱かせる新しい街づくりが始まっている。昨年10月には、東京の新たなシンボルストリート・新虎通り沿道の賑わいと交流の核となる複合施設「新虎通り CORE」が誕生。プロジェクトに携わる権田氏は、商業エリアのなかでも飲食店をメインとしてプランニングやブランディング、リーシング業務などを手がけてきた。


「人々が生活していくうえでも、街づくりという観点からも、食は切り離せないものです。単にお腹をいっぱいにするという機能の面だけではなく、健康志向のライフスタイルに合わせて新鮮な野菜が求められたり、街の人々が集うコミュニティの場となったり、食の重要性はますます高まってきています


施設内に飲食店は6店舗。新しい街にふさわしい個性的な顔ぶれの店が揃った。



「たとえば、『旬八キッチン&テーブル』はもともと青果店。業態開発の相談から始まり、新しいコミュニケーションが生まれるような昼も夜も使えるセルフバーという新業態で出店いただきました。その店の価値やブランドを活かしながら、どのように街の価値に置き換えるのかを提案するのが私の仕事です。もちろん、既存の業態で出店いただく場合もありますが、みなさん街づくりに参加したいという想いを持って出店していただいています」



時代にフィットした使い勝手もコスパも優れた店。なおかつ、そこに働く人たちの想いが活気あふれる空間をつくり出している。



「今は、駅前に店があればお客様が入るという時代ではないですよね。インターネットで何でも買えますし。そこまで足を運び、そこにいることの場の価値を、いかにつくり出すか。出店者の方々はそういうところに共感していただき、場づくりをしていく必要があると思っています。そのビジョンがスタッフ1人ひとりに浸透しているので、みなさんいきいきと働かれています。お客様にリピーターになってもらえる必要条件は、想像していた以上の価値を提供することです。それは料理の美味しさか、スタッフの気づかいか、あるいは人とのコミュニケーションかもしれません。そういう場があれば、そこに来ることがその人の生活の中での楽しみになり、そういう場をつくり出すことができれば、働く人たちも仕事が一層楽しくなるはずです。活気というのは、元気な声であいさつをするだけで生まれるものではありません。厨房もホールも本部も同じ方向を目指して一体となることで、ビジョンとオーナーシップに基づいた場の活気が生まれてくるのだと思います」



単に食事を楽しむだけの場ではなく、街に集う人々の交流の〝コア〟となり、また新しいにぎわいをもたらし始めている。その中の1店舗「ザ コアキッチン/スペース」は、森ビルの自主運営。カフェ・ダイニング兼イベントスペースとして、最先端のビジネスイベントやデザインワークショップを開催している。



「これから、この街で活動していこうという勢いのある企業の方々も、ここ新橋・虎ノ門エリアにオフィスを構え始めています。「ザ コアキッチン/スペース」は、そういう人たちをつなぐ場として機能し、多様な人々が集い、交流し、新しいアイデアを発信する拠点となることを目指しています。また、店には専任のコミュニティマネージャーが常駐し、お客様を紹介しあうなど、このエリアの人々をつなぐ架け橋の役割を担っています。昔でいえば、小料理屋の女将さんがお客様同士をつないでいたような感じですかね(笑)。最近では、いろいろな業界のテクノロジーやアイデアがなければ新しいビジネスは生まれないとも言われます。多彩な業界のコミュニティを求める人たちを結び、ビジネスをつなぐ役割も担っているのです」





やりがいを持って純粋に
飲食の仕事を楽しもう


新たな街の発展とともに、テクノロジーがより進化した10年後、あらゆるビジネスは大きく変化しているだろうと、権田氏は予測する。



「今でも、私たちデベロッパーはただ建物を建てて貸すという単なる賃貸業ではなくなってきています。そこで生活する人たちに、どんな環境やライフスタイルを提供できるのか。BtoBよりBtoCに近いような、すべてのビジネスは個人に向けて価値を与える仕事へと移行していくのではないでしょうか



では、飲食の世界にはどのような未来が待ち受けているのだろうか。



「たとえば、個人の嗜好を全部入力すると編集されて、自分の好みに合う食のボックスがドローンで自宅に運ばれてきたりする未来など、飲食の世界でもどんどん新たな提供価値は進んでいきます。店に行かなくてもモノが届けられるようになる一方で、リアルな場に足を運ぶことの意味がより求められるようになるはずです。料理や食材の背景にあるストーリーなどを知りたいという欲求が高まっていくでしょう。最近、CDは買わないけれどフェスには行くという若者が増えていますよね。生の音を体感したいのと同じように、お客様にはその場でしか得られない、よりリアルな感覚を体験したいという方が増えていくでしょう」




リアルな場の価値を提供する――それは、なにも特別なことではない。次代の飲食業界を担う人たちが日々、いきいきと働くこと。権田氏の言葉からは、そんなメッセージが伝わってくる。



飲食店に働く人たちが、どんな想いを持って仕事に取り組んでいるのか。自分がそこにかける熱量を伝えることが重要になります。ただ自分が良いと感じるものを示せば、伝わるというものではありません。潜在的なニーズを掘り起こし、お客様にこういうものを提供すれば喜んでいただけるのではないかと考えるホスピタリティ、見せ方や伝え方にも気配りが必要です。接客の楽しさは、実はそういうところから生まれてくるのではないかと思います。人とのコミュニケーションが好きという要素はより求められるでしょう。食は本質的に楽しいものです。みなさん、まっすぐにやりがいを持って働いている方が多いですよね。これからも、純粋な気持ちで飲食の仕事を楽しんでもらいたいと思います」




HIROHIKO GONDA

1981年、東京都出身。仕入部、都市開発本部、PM事業部を経て、商業部門へ。六本木ヒルズ内の店舗のオペレーション業務、リーシング業務、リニューアル計画の策定などに携わった後、2016年より現職。新規プロジェクトの商業エリアのプランニング、ブランディング、リーシング業務などを担当する。

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